「力強くも優しい」形容すればそうなるが、とかく耳に残るVo.若林の声。自身のルーツであるBLUESの匂いをプンプンさせながらもしっかりとその歌をサポートする溝下のギタープレイ。
99'地元兵庫県尼崎で結成されたラブハンドルズ。2002年には「月がきれい」でメジャーデビューを果たし、以後「コンセプト」「スピード」そしてアルバム「BLUES POP MAN」を経て「サマータイム」と、まだ世に広く知られてはいないが、近年のJ-POP界において『名曲』と呼ぶに値するであろう楽曲達をコンスタントにリリースする傍ら、山崎まさよしや椎名林檎等との共演も含め、各種イベントやワンマンツアー等、ライブを中心に活動を行ってきた彼等。2004年にはメジャーレーベルを離れ独立。更に精力的なライブ活動を経て、2006年には自主レーベルとなるフラミンゴ商会を設立。
レーベル第一弾、彼等にとっての2ndアルバムとなる今作は、全てギター溝下の自宅兼スタジオで宅録にてレコーディングされた。相変わらず伸びのある若林の歌声と説得力は以前に増して突き刺さって来るし、紡ぎだすそのフレーズが独特な溝下のギターも増々健在!
全て自宅での作業とあってか、良い意味でリラックスした中でのレコーディングだったと見え、詞曲の良さは元より、アルバム全体の音の質感、歌声、ドぎついギタープレイと、どこを取ってもこれまでのどの作品よりもラブハンドルズの歌の持つ「生々しさ」を感じられるアルバムとなっている。
しかし今後彼等の代表作になるであろう「名曲」達を惜しげも無く今回のアルバム1枚に詰め込んでしまうあたり。昨今の音楽マーケティングへの配慮、戦略、計画性の無さも含め、いゃはゃ、ラブハンドルズ、恐るべし。
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